- 当社は、従業員総数50名の製造業ですが、その内、従業員が1名のみ 運送の業務に携わっていたところ、この度、この運送業務に携わっている従業員が定年を迎えるに あたり、本人の希望もあり、運送業務を請負にしたいと考えています。なにか問題はあるでしょうか?
- 最近は、コア業務以外をアウトソーシングし、自社の強みをより強化することに
よって自社を発展させようと考える企業が増えています。一方、労働局は偽装請負一掃キャンペーンを行うなどして、特に製造業の
違法な請負の取締りを強化しています。
では、どのような請負が適法なのでしょうか?適法な請負とは、「請負業者自ら」が以下の4つの要件を満たさなければ
ならないとされています。
①作業の完成について財政上、法律上の全ての責任を負うこと。
②作業に従事する労働者の指揮監督をすること。
③作業に従事する労働者に対し使用者として法律に規定された全ての義務
を負うこと。
④機械、設備、器材若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し、又は
企画若しくは専門的な技術・経験を必要とする作業を行うものであって、
単に肉体的な労働力を提供するものではないこと。要するに、名目だけではなく実質的に請負業者自らが財政的にも
指揮監督者としても受入会社と独立して機能していなくてはならないと
いうことです。
従って、上記4要件を満たせば法律上の問題は回避できるでしょう。つまり、きっちりとした業務請負契約書等(トラックなどを貸す場合には
貸借契約書を締結)を交わし、具体的な業務の指示(勤怠管理なども含む)は、
親会社がしないということが肝要です。