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- 今月末で育児休業が終了する社員が育児休業終了後、残っている年次有給 休暇を全部消化してから退職したいという申出があった場合、会社としては、この申出を受けざるを 得ないのでしょうか?
- 育児休業期間中の年次有給休暇の請求については、 育児休業期間中は単に会社に籍があるにとどまり、 会社に対する労働の義務が免除されている期間といえます。 有給給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を 受けるものであって、労働の義務がない日については 年次有給休暇を請求する余地が無いので、育児休業期間中は 年次有給休暇を請求することができないということになります。 つまり、年次有給休暇を請求するのであれば、いったん会社に 復帰することが必要となります。 また、いったん復帰ということになると、社会保険料の免除の 対象ではなくなり、会社、本人とも保険料の負担が発生すること になります。 本件の場合、育児休業中の社員が、退職を希望しているとの ことですので、いずれにしても退職日を特定してもらう必要が あります。 この場合、退職日が育児休業終了日と同日である場合には、 年次有給休暇を請求することはできないということになりますので、 申出を受ける必要はありません。 しかし、退職日が育児休業終了日より後の日である場合には、 育児休業終了後いったん復帰することを前提に、退職日までの 間の労働の義務のある日(労働日)について年次有給休暇の請求が あった場合には、認めないということはできません。 従って、その場合は年次有給休暇を消化してもらうことになります。 なお、消化できなかった年次有給休暇については、買い上げるか、 本人に諦めてもらうかしかありません。 もちろん、法律上は退職までに年次有給休暇を全部消化させなければ ならないというものではありません。 (2019年11月28日)