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- 零細企業の当社では、昼食をオフィス内でとっており、昼食中にかかってきた電話は交代で受けごたえをしております。「昼食時には余り電話もかかって来ず、殆ど休憩なので、労働時間には該当しない」として賃金を払っていませんが、問題はあるのでしょうか?
- 会社が賃金を支払わなかったトラックドライバーの待機時間 (手待ち時間)について争われた訴訟で、「荷物管理を 要求されて移動や連絡待ちもあり、休憩時間と評価するのは 相当でない」として、労働時間に該当するとする判決が あります(横浜地裁相模原支部)。 会社側は、「待機中は休憩も自由であり、労働時間には 該当しない」と主張していましたが、裁判所はこれを認めず、 従業員・元従業員計4人に対する未払い賃金と、これと 同額の付加金の支払いを会社に命じました。 会社側の弁護士は「判決を精査したうえで今後の対応を 考えたい」としていましたが、結局上訴は見送りました。 実務上は、待機時間以外にも、深夜勤務の場合の仮眠 時間や昼休みの電話当番の時間などが、労働時間に なるのか休憩時間になるのかが度々問題になります。 厚生労働省の通達では、「休憩時間は、(単に作業に 従事しない手待ち時間等を含まず)、労働者が権利 として労働から離れることを保障されている時間の意 であって、その他の拘束時間は、労働時間として 取扱うこと」とされています。 また、同省のホームページでは、 「私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする 昼当番が、月に2~3回ありますが、このような場合は 勤務時間に含まれるのでしょうか?」という問いに対し、 「休憩時間は労働者が権利として労働から離れること が保障されていなければなりません。従って、 待機時間等のいわゆる手待ち時間は休憩に 含まれません。ご質問にある昼休み中の電話や 来客対応を当番制で義務付けるのは明らかに業務 とみなされますので、勤務時間に含まれます。 従って、昼当番で昼休みが費やされてしまった場合、 会社は別途休憩を与えなければなりません。」と 回答しています。 特定の時間帯が労働時間に該当するか休憩時間 に該当するかについて、中小企業等では曖昧に なっているケースも少なくなく、非常にトラブルが 生じやすい問題です。 従って、「労働時間に該当する時間」、「休憩時間に 該当する時間」を社内ではっきりさせておき、労使 双方が納得したうえで規定化しておくことがトラブル を防止するための1つのポイントと言えるでしょう。