- 弊社では、加入していた総合型厚生年金基金が解散されることに伴い、新しい企業年金への加入を考えていますが、政府が「第3の企業年金」制度の創設を検討していると聞きましたが、どういう制度ですか?
- 厚生労働省は、新しい企業年金制度を創設すること を明らかにし、制度設計の検討に入りました。 今後、企業年金の関連政令を改定し、早ければ 来年度にも企業が導入できるように議論が 進められています。 現在の企業年金は、「確定給付型」と「確定拠出型」 の2種類ですが、双方の特徴を併せ持つ 「第3の企業年金」として新たな企業年金制度が 設けられることになります。
確定給付型年金は、企業が掛金を負担して運用
するため、従業員にとってはメリットの多い制度ですが、
企業の負担が大きく制度を辞める企業が増えています。
企業の負担を和らげるために2001年に導入された
確定拠出型年金は、加入者が自分で運用するため、
個人のリスクが大きいとされています。
今回検討されている「第3の企業年金」では、運用は
確定給付型のように企業が行いますが、年金額は
確定拠出型のように変動することになります。
つまり、加入者は運用リスクを引き受けることに
なりますが、個人で運用する必要はなくなります
(現在のキャッシュバランスプランと同じ)。
現在、勤務先で企業年金に加入している人は
約1,700万人(2014年3月時点)で、これは
会社員の約40%強が加入していることに
なります。
最近では、確定給付型の厚生年金基金からの
脱退や基金の廃止が相次いでいるため、
「第3の企業年金」の創設により、多くの企業が
企業年金制度を見直すことが予想されます。
各企業年金制度のメリット・デメリットをよく理解し、
身の丈に合った制度を導入・運用していくことが
必要です。
その意味でも、この第3の企業年金の動向に
注目しては如何でしょうか。(2015年12月1日)