- 傷病手当金と出産手当金の算出方法が変わると聞きましたが、どのように変わるのですか?
- 傷病手当金は、病気(私傷病)で休業する際に、
被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた
制度です。
そのため、被保険者が病気やケガのために会社を休み、
事業主から十分な報酬が受けられない場合に1日につき
被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給
されることになっています。
この支給額については、傷病等で休業する際の標準報酬月額
により決定されますが、休業直前に労使双方で合意して、
賃金を引上げるなどの方法により、一時的に標準報酬月額
も引上げて、傷病手当金として支給される額を多くすると
いった実態が一部であるようです。
このような不正受給とも言える状況を防止する等の観点から、
給付の基礎となる標準報酬の算定を対象被保険者の被保険者
期間のうち、直近1年間の標準報酬日額の平均(被保険者期間が
1年間に満たない被保険者は、被保険者期間における標準報酬
日額の平均か、その保険者の全被保険者の平均標準報酬日額
のいずれか低い額)とするよう見直すことが検討されています。
その時期は、平成28年度から予定されています。
なお、被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の
支払いを受けなかった場合に支給される出産手当金についても、
傷病手当金と同様の支給額決定方法が用いられているため、
こちらについてもあわせて見直しが検討されています。
受給する被保険者にとっては、支給額が大きく変わる可能性も
あるため、今後の動向に留意する必要があります。(2015年3月3日)