海外勤務者の社会・労働保険は続けられる?

当社では、初めて社員を中国に派遣しました。労働時間等の管理も毎月本社に報告するように指示しておりますし、給料も日本で払っており、家族も日本に残っています。社会保険の加入は続けて問題はないでしょうか?
海外勤務者に関する社会保険の問題は、まだまだ明確な
ルールがあるとは言えません。
その中で一般的には以下のように対応を行ないます。
①社会保険
日本の本社から給与を支給し、労務管理も行なっている場合、
日本における社会保険の加入を継続することとなります。
なお、日本との間の社会保障協定を発効している
ドイツ、イギリス、アメリカ等とは、その協定に基づいた対応が
必要となります。
②雇用保険
 雇用保険についても、日本の本社との雇用関係が継続しており、
給与も支給されていますので、継続して加入することとなります。
③労働者災害補償保険(労災保険)
 一方、労災保険は事業場主義のため、継続して加入することは
できません。海外派遣者の特別加入制度の利用や民間の傷害保険への
加入を検討する必要があるでしょう。
海外で給与が支給される場合、
日本と海外の両方で給与が支給される場合など、
給与の支払方法や割合は様々です。
そのため人事労務管理の状況と併せて判断されるケースが多く、
取扱いについては事前に十分調査されることをお勧めします。

(2013年8月27日)