確定給付年金のパッケージプランって何?

弊社は従業員30名の中小企業なのですが、今の適格年金から確定拠出年金に移行したいと思っていますが、某生命保険会社よりパッケージプランへの移行を進められています。このプランはどのようなものなのでしょう?
確定給付企業年金の掛金額は,本則基準のほか,簡易基準により計算 することができます。簡易基準の適用は,法律上は加入者数500名未満 の場合に適用可能となっています。  簡易基準は,退職率・死亡率を掛金計算に反映しません。つまり, 全員が定年まで勤務するという前提で掛金を計算するので,一般的には 掛金が高めになります。さらに,簡易基準は,従来の給付建てのプラン に加え掛金建てのプランがあり,パッケージプランとか汎用型と 呼ばれています。つまり,簡易基準にも2種類あるということです。 パッケージプランの特徴を簡潔にまとめると次の通りです。
・掛金建ての給付設計とし給付額は掛金額の元利合計で算定する。
・適用利率は一般的に2.0%~ 2.5%(金融機関により異なる)。
・掛金額は全員一律定額とする。

掛金建てとは,給付額を掛金の元利合計で算定する方式です。
掛金は全員一律定額が基本となっており,例えば掛金は全員一律
5,000円というように設定します。
適用する利率は金融機関により異なりますが,
一般的には2.0% ~2.5%です。
ここで誤解してはいけないのは,この利率は金融機関が保証して
いるわけではないということです。
この利率は会社と従業員の間の取決めであり,あくまでも給付額を
算定するときに会社は従業員に対して,例えば,2.0%の利率を
付けると約束したことを意味します。
したがって,運用利回りがそれを下回れば積立不足になることが
あります。掛金建てのプランは金融機関にとっては制度設計が簡単
であり,その結果,会社が負担する手数料が安くなるという利点が
あります。しかし,退職金制度との整合性が図れないという欠点が
あります。
 一方,簡易基準でも給付建てのプランは,給付額(退職金額)
を設定し掛金を求める方法なので,この給付建てのプランであれば,
退職金制度との整合性も図ることができます。
よって,退職金制度との整合性を図りたいのであれば,同じ簡易基準
でも給付建てプランをお勧めします。
但し、パッケージプランは給付建てのプランに比べ手間がかからないので,
小規模の企業が確定給付企業年金の導入を検討している場合,
一部の金融機関ではパッケージプランでしか対応しないところも
あります。ご興味ある場合は、弊社にご相談下さい。

(2011年8月25日)