国民年金の保険料納付の特例

私は、現在50歳の会社員ですが、10年くらい前に転職の為会社を辞め、その間1年近く無職でしたが国民年金の保険料を支払った覚えがありません。10年前までの分は遡って、支払うことができると聞きましたが可能でしょうか?
国民年金では、会社員で厚生年金の被保険者は第2号被保険者、その被扶養配偶者は第3号被保険者とされ、本人は国民年金の保険料を直接支払わず、会社が保険料を給料から天引きして第2号被保険者と第3号被保険者の分を合わせて納付し、国民年金制度に対して基礎年金拠出金として支払っています(第3号被保険者は20歳~60歳の間)。 この第2号、第3号被保険者以外の人を第1号被保険者(自営業者等)といい、自分で保険料を支払わなければならず毎月、保険料(現在13,300円)を月末までに支払っています。
然し、収入が少なくて支払えない場合は免除制度を設けており、収入の額により全額免除(法定、申請の別あり)、半額免除の2種類があります。この免除を受けていた期間は老齢基礎年金の受給額の計算において、全額免除は(3分の1)、半額免除は(3分の2)の月数分を算入して貰えます(又、その後収入が増加し、年金額を増やしたい為、遡って支払いたいとする場合は、10年間遡れます)。以上の保険料納付済期間、免除期間以外の期間を、俗に保険料滞納期間といい、この場合は遡って保険料を支払えるのは2年間に限られるのです。
つまり、ご質問者が無職であった間は第1号被保険者に該当し、自分で保険料を支払う義務があります。もし、その間に保険料を支払っていなかった場合、遡って支払えるのは残念ながら2年間です。但し、その間に保険料の免除を受けていたのであれば、10年間遡って支払うことが可能です。また、その時点で ご質問者に厚生年金の被保険者である配偶者がおり、ご質問者がその被扶養者として、第3号被保険者の届出をしていた場合は、保険料は支払っていた扱いになります。
このように、年金問題は一寸ややこしいので、兎角ホッタラがしとなり、後になって慌てるケースが多いのです。保険料の納付期間にご心配等がある場合は、早期に社会保険事務所で確かめることをお勧めします。また万一、その間が保険料滞納期間であった場合でも60歳から任意加入の申し出をすることによって、未納であった分を埋めることも可能です。 (2004年5月)