日本版401Kの普及を後押し

厚生労働省は、個人の運用成績如何により給付額が変動する企業年金―確定拠出年金(日本版401k)―について、導入企業が他の年金制度を併せ持つ場合の非課税拠出限度額を引き上げる方針です(平成17年度厚生労働省、予算案施策の成果目標)。若しこれが実現すれば、2004年の改正に続き更に、税制面での優遇措置が強化されることになります。拠出限度額は、2004年度の改正で引上げを行いましたが、引上げ後の限度額でも、特に「企業型」について、”401K一本で退職金を準備するには、限度額が小さい”という指摘がありました。そこで、日本版401kの普及を促進し、ひいては公的年金の補完機能を高める為にも、更に限度額を引き上げたいという厚労省の狙いがある様です。
 (1)日本版401kとは 年金には、国民年金や厚生年金などのように国が運営しているもの(公的年金)と、企業が独自に掛金を積み立てるもの(企業年金)、そして個人が生命保険会社等と契約するもの(個人年金)などがあります。日本版401kとは、この内「確定拠出型」の企業年金の1つを指します。毎月の拠出額が定められ(拠出額の上限制限あり)、その拠出金を加入者各人が自己責任で運用、その運用成果により将来受け取る給付額(一時金ないし年金)も変動するという制度で、2001年10月から導入されました。
 ◆日本版401kに加入できるのは
 ・企業型…サラリーマンで、勤務先の会社が日本版401kを導入した場合には原則的に、その会社の全ての社員が加入することになります。
 ・個人型…国民年金に加入している自営業者とその配偶者が任意に加入することができます。サラリーマンでも、勤務先の会社が日本版401kや他の企業年金制度を導入していない場合に、加入することができます。 ・加入できないのは…専業主婦、公務員、低所得を理由とする国民年金保険料の免除者です。
 ~参考~【拠出限度額(月)】
個人型 自営業者など 68,000円
     企業年金制度のない企業の社員 18,000円
企業型 企業年金制度のない企業の社員 46,000円
     企業年金制度と併設の企業の社員 23,000円

(2005年2月)