テレワークで長時間労働

日本労働組合総連合会(連合)は、テレワークで働く人の意識や実態を
把握するため、「テレワークに関する調査」を公表しました。
調査では、「通常の勤務よりも長時間労働になることがあった」と
半数超(51.5%)が長時間労働になったと回答しました。
テレワークは、仕事と仕事以外の切分けが難しく、以前から長時間労働に
なりやすいという問題が指摘されていますが、これらを実感した労働者が
多かったことが裏付けられでています。
それでも、テレワークの継続を「希望する」と回答した人は 81.8%となり、
多くの人がメリットを感じたこともわかります。
しかし、この調査で気になるのが、労働時間管理についてです。
時間外・休日労働をしたにもかかわらず申告していないとの回答者が
6割超(65.1%)、また時間外・休日労働をしたにもかかわらず勤務先に
認められないという回答者が半数超(56.4%)もいたことです。
 テレワークであろうと労基法は適用されます。会社としては、
みなし労働時間制が適用される労働者や労基法第41条に規定する
労働者(管理監督者)を除き、「労働時間の適正な把握のために使用者が
講ずべき措置に関するガイドライン」に基づいて、
適切に労働時間管理を行わなければなりません。
実労働時間やみなされた労働時間が法定労働時間を超える場合や
法定休日に労働を行わせる場合は、36協定の締結、届出及び割増賃金の
支払いが必要です。
また、現実に深夜に労働した場合は、深夜労働に係る割増賃金の支払いが
必要です。これらを放置すれば、法違反となりますし、労務トラブルにも
発展しかねません。
 時間外労働等について労働者からの事前申告がなかったり、申告に対して
許可を与えなかった場合でも、業務量が過大であったり、明示、黙示の
指揮命令があったと解しうる場合には、労働時間に該当します。
テレワークを行う労働者は、業務に従事した時間を日報等において記録し、
使用者はそれをもって当該労働者に係る労働時間の状況の適切な
把握に努め、必要に応じて労働時間や業務内容等について見直すことが
望ましいとされています。
自社の実態にあった管理、制度の選択ができるよう、テレワーク制度を
適宜見直し、必要な場合は改善して行くことをお勧めします。
(2020年8月28日)