新型コロナに対する労災給付

新型コロナウイルス感染症は、PCR検査の陽性者が増加して来て、
第二波の到来ではないかとも懸念されています。
厚生労働省は、仕事が理由で新型コロナウイルス感染症に罹患した
場合には、労災認定をすることにしており、「調査により感染経路が
特定されなくとも、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因した
と認められる場合には、これに該当するものとして、労災保険給付の
対象とすること」という通達(令和2年4月28日基補発0428第1号)を
発出しています。
最近は、新型コロナウイルス感染症の罹患者が増加していることもあり、
労災の請求件数と支給件数は、ともに増加しています。 
厚労省は、社会周知のため、労災認定事例を公開していますが、
以下のように医療従事者等以外の労働者、感染経路が特定されない
場合の事例も紹介しています。
【小売店販売員】
「店頭での接客業務等に従事していた小売店販売員が、発熱、咳等の
症状が出現したため、PCR検査を受けたところ新型コロナウイルス
感染の陽性と判定された。
更に、労働基準監督署の調査で、当該者の発症前14日間の業務内容は、
日々数十人と接客し商品説明等を行っていたことで、感染リスクが
相対的に高い業務に従事していたものと認められた。その為感染経路は
特定されなかったものの、本件は業務により感染した蓋然性が高く、
業務に起因したものと判断され、支給決定された」。
労災認定されるかは個別判断になりますが、この事例のように感染経路が
特定されない場合であっても、認定が行われています。

(2020年7月29日)