事業者に義務付けられている健康診断の実施が、コロナ禍の影響
により延期が認められます。
①一般健康診断
事業者は、労働安全衛生法第66条の規定により、労働者の雇入れの
直前または直後に健康診断を実施することや、1年以内ごとに1回、
定期に一般健康診断を行うことが義務づけられています。
しかし、新型コロナウイルスの拡がりにより健康診断等の実施会場に
おいても、密閉・密集・密室といった「三密」空間での感染拡大が懸念
されることから、一般健康診断の実施時期については、
令和2年6月末までの間、延期しても差し支えないとされました。
②特殊健康診断
また、事業者は、労働安全衛生法、じん肺法の規定に基づき、有害な
業務に従事する労働者や有害な業務に従事した後、配置転換した
労働者に特別の項目についての健康診断を実施することや、一定の
有害な業務に従事する労働者に歯科医師による健康診断を実施する
こと等が義務づけられています(特殊健康診断)。
特殊健康診断については、癌その他の重度の健康障害の早期発見等
を目的として行うものであるため、基本的には十分な感染防止対策を
講じたうえで法令に基づく頻度で実施するのが望ましいとされていますが、
十分な感染防止対策を講じた健康診断実施機関での実施が困難である
場合には、一般健康診断と同様、実施時期を令和2年6月末までの間、
延期しても差し支えないとされました。
これらの取扱いは、現時点では新型コロナウイルス感染症の状況を
踏まえた令和2年6月末までに限られた対応とされています。
(2020年5月23日)