平成15年度の税制改正で、配偶者特別控除のうち、控除対象配偶者(合計所得金額38万円以下の配偶者)について、配偶者控除に上乗せして適用されている部分の廃止が決まりました。
実施されるのは、平成16年分以後の所得税とその翌年からの住民税です。
「配偶者控除」は、合計所得金額38 万円以下(パート等給与収入ある場合は給与所得控除65万円が適用されるので、年収103 万円以下が対象となります)の配偶者を持つ納税者に適用される所得控除で、税額を算出する際、原則として所得税では38万円、住民税では33 万円を差し引くものです。
「配偶者特別控除」とは、納税者本人の合計所得が1,000 万円以下(給与収入の場合は、約1,231 万円以下)で、配偶者の所得が76 万円未満(給与収入の場合は、141 万円未満)であることを条件に適用される所得控除であり、配偶者の収入の増加に伴って控除額が段階的に少なくなるしくみになっています。
今回廃止される「配偶者特別控除」は、1.の「配偶者控除」に上乗せされる部分だけで、「配偶者特別控除」のみを受けている部分は廃止されません。
従って、今回の改訂により影響が出るのは、両方の適用を受けている世帯(約950万人)ということになります。 所得が1,000 万円を超えている人(年収1,231 万円超)にとっては、もともと「配偶者特別控除」の適用はないので本改定には無関係であり、「配偶者特別控除」の適用のみ受けている世帯(所得金額38万円以上76万円未満の配偶者を持つ所帯)も、今回の廃止の対象ではないため影響はありません。つまりは、今回の改正は、もっぱら”専業主婦世帯”を直撃するものであるということになります。(2003年11月)