病院に寄ってから出勤したいけれど、半日の休みは必要ない……」
「急な迎え要請で少しだけ早く帰りたい……」、そんな育児や介護を
行う労働者が子の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得できるよう、
育児・介護休業法施行規則等が改正され、時間単位で取得できる
ようになりました。
改正のポイントは以下のとおりで、施行は2021年1月からです。
(改正前)
・半日単位での取得が可能
・1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない
(改正後)
・時間単位での取得が可能
・全ての労働者が取得できる
◆本制度導入におけるポイント
(厚労省Q&Aより)
―「分」単位で看護・介護休暇を取得できる制度を既に導入
している場合は、法を上回る内容になっているため、別途、
時間単位で取得できる制度を設ける必要はない。
―時間単位での看護・介護休暇を取得する場合の「時間」は、
「1日の所定労働時間数未満の時間」とし、1日の所定労働
時間数と同じ時間数の看護・介護休暇を取得する場合には、
日単位での看護・介護休暇の取得として取り扱う。
―「中抜け」による時間単位での取得を既に認めている場合、
法を上回る望ましい取扱いであるため、改正後に「中抜け」を
想定しない制度に変更する必要はない。
―フレックスタイム制度のような柔軟な労働時間制度が適用
される労働者であっても、申出があった場合には、時間単位で
看護・介護休暇を取得できるようにしなければならない。
―労働者にとって不利益な労働条件の変更になる場合は、
労働契約法の規定により原則として労使間の合意が必要になる。
―制度の弾力的な利用が可能となるよう配慮することが求められる。
来年の施行までに、就業規則や社内規程の見直し・修正が
必要になってきます。また、業務内容によっては、時間単位での
休暇取得が難しい労働者がいます。その場合は、労使協定を
締結することにより、その業務に従事する労働者を除外することが
できます。
その他、本制度を導入し、要件を満たした事業主には、
「両立支援等助成金」が支給されますので、関連情報の収集を
しておくことをお勧めします。
(2020年2月26日)