現在開会中の通常国会に「雇用保険法等の一部
を改正する法律案」が提出されました(1月31日)。
最近は、次から次へと労働関係の法案が成立
しています。
就きましては、雇用保険法、労働保険徴収法、
育児・介護休業法、職業安定法」各法の一部が
対象ですが、企業に影響のある改正点を中心に、
下記の通り纏めました。
①失業等給付に係る保険料率および国庫
負担率の時限的引下げ→→
平成29年度から平成31年度までの各年度における
雇用保険料率および国庫負担率が、時限的に
引下げられます。
雇用保険法、労働保険徴収法に関わる改正は、
平成29年4月1日の施行予定です。
②育児休業に係る制度の見直し
現在の育児休業は原則1歳までで、保育所に
入れない場合等に限り1歳6カ月まで延長が
認められていますが、改正により、さらに
6カ月(2歳まで)再延長できるようになります。
また、それに合わせて育児休業給付の支給期間
も延長となります。
育児・介護休業法に関わる改正は、平成29年1月1日
から施行されることになりました。
③職業紹介の機能強化および求人情報等の適正化
(ア)ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人
を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す
ブラック企業の求人は受理されなくなります。
現在は、ハローワークにおける新卒者向け求人のみ
が対象となっていますが、改正が行われれば中途や
パートなど全ての求人が対象となります。他にも、
(イ)会社が虚偽の求人申込を行った場合、罰則の
対象となります。また、(ウ)採用時の条件が予め
示した条件と異なる場合等には、その内容を
求職者に明示することが会社に義務付けられます。
何れも職業安定法に関わる改正で、
(ア)は公布から3年以内、
(イ)(ウ)は平成30年1月の施行予定です。
④その他の事項
その他、失業等給付の拡充として、「給付日数の
延長」や「雇止めされた有期雇用労働者の所定給付
日数の延長」、「専門実践教育訓練給付の給付率の
引上げ」等が予定されています。
≪2017年3月1日)