野村総合研究所は、先般、東証一部上場企業の社長、そして東証一部上場企業に在籍している正社員と一般企業に在籍している契約・パートアルバイト・派遣社員を対象に実施したアンケート調査の結果を発表しました。
この調査は、基本的には経営理念やビジョンに関する意識調査でしたが、そちらは予想通り、「社長の回答と一般従業員の回答に大きなギャップがある」という当然の結果になりました。
然し、興味深かったのは、それではなく、従業員を対象とした「今の仕事にやりがいを感じているか」という質問項目の回答結果でした。
①いまの仕事にやりがいを「感じている」という人は、役員の100%、管理職の56%が回答しています。
②然し、これが一般の正社員になると「感じている」という人は、38%、契約社員で43%、パートアルバイトでは29%、派遣社員では27%と急速にその割合が低下しているのです。
③他方でやりがいを「感じない」という回答は、派遣社員では40%、パートアルバイトでは37%となっており、この両雇用区分ではやりがいを「感じている」者よりも「感じない」者の方が、割合が大きくなっています。
④また一般正社員と契約社員の31%、管理職の25%もやりがいを「感じない」と回答しています。
⑤派遣社員やパートアルバイトがやりがいを「感じない」と感じるのは、その職務配置上、現状ではある程度やむを得ないと考えることもできるでしょう。
⑥然し、一般の正社員を見てもやりがいを「感じる」人が38%・「感じない」人が31%と、その割合には大きな差はありません。
この調査の結果からは、このように 多くの従業員が「仕事にやりがいを感じないままに、現在の職務に従事している」という姿が浮かび上がってきます。もしかすると本音ベースではある程度予想できていた結果なのかも知れませんが、このように実際のデータで見せられると、経営側としてはショッキングな結果ではないでしょうか。
このような調査結果を見ると、企業としては、意識的に社員の仕事にやりがいを感じるような環境を整備していく必要があるように思えてなりません。
そもそも、社員が仕事に対するやりがいを感じるポイントは様々です。 正社員の場合は、担当する仕事の内容や会社からの評価であることが多いでしょうし、パートアルバイトや派遣社員の場合は、労働時間の柔軟性など、プライベートとの両立を無理なく図れる環境といったことも少なくないでしょう。
これからの時代は多様な価値観を持った人材ひとりひとりにあった仕事の与え方をし、やりがいをもって職務に専念してもらえる環境を作ることが重要になってくるのではないかと思います。
(06/12)
このような、木目細かい人事制度などの構築には、やはり、経験豊富な専門家の意見・アドバイスを得ながら、慎重に進めることが肝心です。
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(2006年12月)