多くの会社で、社員を休日出勤させる場合に振替休日や代休が
実施されています。然し、振替休日と代休では実施するための
要件や割増賃金の取扱いが異なっているので適正に管理すること
が必要です。
振替休日とは、労働契約を一時的に変更して、休日だった日を
所定労働日に、所定労働日だった日を所定休日に変える制度です。
同一週内で振り替えた場合や他の週の所定労働日と振り替えた場合
は休日労働とはならないため、休日出勤に対する割増賃金は原則的
に発生しません。
但し、振替休日の場合、就業規則に振替休日を行うための根拠規定
があること、事前に振り替えるべき日を特定することが実施の要件と
してあります。
これに対し、代休とは、休日に出勤したことの代償として、
所定労働日の労働義務を免除する制度です。代休については、特に
就業規則の定めがなくても実施することが可能ですが、出勤させた日が
法定休日の場合は休日労働となるため、割増賃金の支払いが必要です。
法定休日に出勤させる場合に、振替休日については、法定休日が確保
できる範囲に限定されていて、変形休日制を採用していない場合は
同一週内、変形休日制を採用している場合は出勤する法定休日の属する
4週の範囲内と決められています。変形休日制を採用する場合には、
就業規則に変形休日の起算日を定めなければなりません。
一方、代休については特に制限がなく、代休を直近の日に取得せず、
いったん積み立てておいて時間的に余裕ができたときに取得させたり
することが可能です。
振替休日では同一週内で振り替えた場合や他の週の所定労働日を
振り替えた場合は、休日労働となりませんが、当初の休日に出勤させた
ことにより、週40時間を超えた場合は時間外労働となります。
代休については、出勤させた休日が法定休日の場合は休日労働となり、
法定外の休日の場合は週40時間を超えた時間が時間外労働となります。
(2010年12月)