日本における自殺者数は、近年、3万人を超える数で推移していますが、
そのうち約2,500人の原因・動機は「勤務問題」によるものだとされています。
また、精神障害等による労災認定件数も増加傾向にあり、仕事や職業生活
に強いストレスを感じている労働者は約6割に上るとの調査結果もあるようです。
厚生労働省の調査では、うつ病患者を含む「気分障害」の患者は100万人を
超えているそうです。
そのような状況の中、厚生労働省に設置された「職場におけるメンタルヘルス対策
検討会」(学者、医師、弁護士などで構成)が、5月下旬に初めての会合を
開きました。
この検討会においては、
(1)メンタルヘルス不調者を把握する方法、
(2)不調者の把握後の作業転換・職場復帰など、
への対応方法を検討するとされています。
このうち(1)については、具体的には、労働安全衛生法に基づく定期健康診断
において、労働者が不利益を被らないように配慮をしつつ、効果的にメンタルヘルス
不調者を把握する方法について検討していくとしています。
また、(2)については、メンタルヘルス不調者の把握後、会社による労働時間の
短縮、作業の転換、休業、職場復帰等の対応が適切に行われるように、外部機関
の活用や医師の確保に関する制度等について検討していくとしています。
労働基準監督署では、平成22年度においては、「メンタルヘルス対策の具体的な
取組みについての事業場への指導・助言」を特に強化する方針を示しています。
企業としても、メンタルヘルス不調者が発生しないための取組み、仮に不調者が
発生してしまった場合の対応に関してのルール作り(「休職制度」「職場復帰制度」
「リハビリ勤務制度」等の規定化)など、対応が急務となってきています。