2007年4月1日から「離婚時の年金分割制度」が実施されるのに合わせて、妻も夫も50歳以上の場合、本人の求めがあれば、分割時に受け取る事ができる年金見込額を通知するサービスを、社会保険庁が10月1日から始めます。年金分割制度では、分割の割合は夫婦の話し合いまたは裁判によって決められますが、2008年4月以降は強制的に折半となり、社会保険庁からそれぞれに直接送金される事になっています。現在は、離婚した場合に年金をいったん夫が取得し、それを妻に分けるといったケースが主流ですが、夫が送金しないケースも多いようです。年金の計算は、制度が複数あり、法改正も多いため、一般の人には難しいものとなっています。特に、妻が夫に離婚の意思を隠しているような場合、内証で夫の年金について調べる事は非常に困難です。通知サービスでは、妻か夫のどちらかが請求した場合、相手に見られる事なく年金見込額を知る事ができます。社会保険事務所に、自分の年金手帳と戸籍抄本(または謄本)を提出すれば試算してもらう事ができます。ただ、通知されるのは本人の見込額だけであり、相手の額までは知る事はできません。
夫婦とも年金額が確定している場合には、実際に受け取っている年金額をもとに試算し、それ以外のケースでは将来受け取る見込額に基づく試算となります。50歳未満の場合は将来の年金見込額自体を試算する事が困難なため、結婚期間中の双方の納付記録や支払った保険料総額、認められる分割割合などの情報提供にとどめられるようです。
(06/09)