「実習型雇用支援事業」

昨今の厳しい雇用情勢において、「休業(一時帰休)」の実施によって
雇用を維持しようとする事業主を支援する助成金(雇用調整助成金・
中小企業緊急雇用安定助成金)など、助成金への関心が高まっていますが、
7月から、人材確保を考えている中小企業等を支援する新たな助成金である
「実習型雇用支援事業」がスタートしました。
この制度は、企業が、十分な技能や経験を有しない求職者を「実習型雇用」
により受け入れることにより、求職者の円滑な再就職と中小企業等の
人材確保を促進するものです。
具体的には、ハローワークから職業紹介を受けた求職者と企業が、
原則6カ月間の有期雇用契約を結び、「実習計画書」に基づいて、
技能および経験を有する指導者の下で指導を受けながら実習や座学など
を通じて必要な技能や知識を身に付けることで、企業のニーズにあった人材を
育成し、その後の正規雇用へと繋げる事を目的とします
◆助成額と要件
実習型雇用により求職者を受け入れた事業主に対しては、「緊急人材育成・
就職支援基金」より、以下の通り助成金が支給されます。
①実習型雇用期間(6カ月)……1人あたり月額10万円
②実習型雇用終了後の正規雇入れ……1人あたり100万円(ただし、正規雇用
6カ月後に50万円、その後6カ月後に50万円と2回に分けて支給)
③正規雇入れ後の教育訓練……1人あたり上限50万円

対象となる事業主は、ハローワークにおいて実習型雇用として受け入れる
ための求人登録をしていること、実習型雇用終了後に正規雇用として
雇い入れることを前提としていること等です。 
企業規模や業種などの要件は定められていません。
技能や経験が不足していることが理由でうまく採用に結び付かないケースは
数多くあると思われますが、当初の6カ月間で必要な技能や知識を身につける
ことができ、正規雇用への道が開かれるのであれば、求職者・企業双方に
とってメリットがある制度ではないでしょうか。