厚生労働省は、1月下旬に平成22年度の年金額を発表しました。
年金額は平成22年度も据置きとなり、老齢基礎年金は、満額の場合は
1人月額6万6,008円、厚生年金は、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む
標準的な年金額として月額23万2,592円となっています。
なお、厚生年金については、夫が平均的収入(平均標準報酬が36万円)で
40年間就業し、妻がその期間すべてにおいて専業主婦であった世帯の
給付水準です。
法律上、本来想定している年金額(本来水準)は、物価や賃金の上昇・下落に
応じて増額・減額がなされるというルールです。
しかし現在、実際に支給されている年金は、物価下落時に年金額を据え置いた
(物価スライド特例措置)経緯から、特例的に、本来よりも高い水準(特例水準)
で支払われています。
特例水準の年金額は、物価が上昇しても据え置かれる一方、物価が直近の
年金額改定のベースとなる物価水準を下回った場合に、その分だけ引き
下げるというルールです。
平成22年度の年金額の場合、平成21年の物価水準は対前年比では下落した
ものの、法律により、これを下回らなければ引き下げない基準としている
「平成17年の物価水準」と比較すると、依然として0.3%上回っている状況に
あるため、法律の規定に基づいて、平成22年度の年金額は据置きとなった
という経緯にあります。