厚生労働省は、職業安定法施行規則を改正し、
企業に対して、どのような受動喫煙対策を講じて
いるかについて、募集や求人申込みの際に明示
する義務を課すこととしました。
禁煙場所が「敷地内」なのか「屋内」なのかどうかや、
喫煙室の有無などについて明記することを想定して
いるとのことです。
昨年成立した改正健康増進法(多くの人が集まる
建物内を罰則付きで原則禁煙とする)が全面施行
される2020年4月から適用されます。
求人時には賃金や労働時間などの労働条件のほかに、
受動喫煙対策も明示しなければならないことになります。
JTの調査によると、全年齢層において喫煙率は減少
傾向にあり、男性の平均で3割以下、女性では8.7%に
まで低下しています(平成30年度)。
タバコが要因となった訴訟も度々起きており、
スメハラ・スモハラ等のハラスメントに敏感な社会の風潮
もあります。
就業時間中に喫煙のために離席した時間分の賃金を
控除するというような思い切った会社もあるようですが、
現実的には、職場の禁煙化・受動喫煙対策は徐々に
進めることになるでしょう。
受動喫煙防止対策を推進することを目的として、
中小企業事業主が喫煙室の設置等をする場合に
受給できる助成金などもあります。
飲食店でも、禁煙化したことによる売上への影響は
「特に変化がなかった」が60%以上、「売上増」が12%
との調査結果(クックビズ株式会社)がありますから、
職場の全面禁煙化などを行うための社会的環境は
整ったといえるかもしれません。
(2019年4月27日)