再雇用基準ってどういう基準?

当社では、来年4月施行の「定年年齢引き上げ」に関する改正にあたって 「継続雇用制度」の導入を検討しております。しかし、雇用している高年齢者が希望する場合は、定年後は全員を雇用しなければいけないと聞きましたが、本当でしょうか?
確かに「継続雇用制度」は、条文上は「現に雇用している高年齢者が希望する時は、定年後も引き続き雇用する制度」となっています。 しかし、更に細かく見ますと、事業主は、労働者代表と労使協定を締結する事により、「継続雇用制度の対象となる高年齢者に関わる基準を定める」事が出来ます。 すなわちこの基準に従って、ある程度経営側で労働者を選別出来る事になっています。 その基準に関しては、基本通達で示されていますが、それは「労働者の意欲、能力等を具体的に測るもの」であり、また「必要とされる能力等が客観的に示されており該当可能性を予見出来るもの」である事が必要です。 下記に具体的な例を明示します。
(良い例)
・営業経験が豊富な者。(全国の営業所を5ヶ所以上経験し、所長経験あり)
・過去5年間の勤務評価がB以上の者。(勤務評価が開示されている企業の場合)
・社内技能検定においてBレベル以上の者。

(悪い例)
・上司の推薦がある者に限る。→基準が無い可能性が高く、これのみでは改正の  趣旨に反するおそれがある。
・会社が必要と認めた者に限る。→上記同様。
・男性(女性)に限る。→男女差別に該当する。
・組合活動に従事していない者→不当労働行為に該当する。
今回の改正には、この様に就業規則の改正が必要であり、これを機会に全般的な見直しをお勧めします。