加害者に過失ある場合も、労災補償は可能?

従業員が業務中に交通事故に遭って1ヶ月休みました。この交通事故は全面的に加害者に過失があったため相手の保険による補償を受けることとし、労災保険の給付申請は行いませんでした。労災保険での休業補償は受けられないのでしょうか?
労災保険では、その災害の発生の原因が第三者の行為によるものを「第三者行為災害」といいます。第三者行為災害で加害者から損害賠償が行われた場合に労災保険の給付も行うと、同一の事由について損害賠償が重複して行われることになるので、休業補償給付は受けることができません。 但し、休業特別支給金を受給することができます。休業特別支給金は、休業1日につき給付基礎日額(おおむね1日当たりの賃金)の100分の20が支給されます。この特別支給金は、第三者行為災害の場合の損害賠償との給付調整の対象となりませんので、申請することによって受給することが可能です。 申請書は通常の労災の給付申請書と同一です。特別支給金の申請を行う際には、第三者行為災害届の提出が必要です。これにより加害者からの損害賠償を把握することで、労災保険の給付が調整されることになります。