パートを解雇する場合の解雇予告手当は?

当社では週3日勤務の時給制のパートタイマーを雇用していますが、業績が悪化したため解雇せざるを得ない状況となってしまいました。パートタイマーには退職金制度を適用していないので、退職金の代わりに解雇予告手当を支払うことを考えています。週3日勤務の場合でも解雇予告手当は、30日分支払わないといけないのでしょうか?
使用者が労働者を解雇する場合には、労働基準法第20条により、30日前まで に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払 わなければなりません。 《平均賃金の原則》は次の通りです。
[算定すべき事由が発生した日以前3カ月間に支払った賃金の総額]
          ÷
    [その期間の総日数]

但し、日給制や時給制の場合、所定労働日数が少ないので、この算定
方法で計算すると、平均賃金の額が低くなってしまう場合があります
ので、この額が最低保障額に満たない場合は最低保障額を平均賃金と
することにしています。
つまり、賃金が労働した日もしくは時間によって算定され、又は
出来高制などの請負制によって定められている場合には、賃金の
総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60が
最低保障額とされています。
《最低保障額》は以下となります。
[賃金の総額」 ÷ [その期間に労働した日数」   

具体的な例をあげてみます。
 時間給を900円、直前3カ月間の総日数を90日、勤務日数を39日、直前
3カ月に支払われた賃金総額を175,500円だった場合を考えてみましょう。
原則的な算定方法で計算した平均賃金額は、175,500円÷90日=1,950円、
最低保障額は175,500円÷39日×60%=2,700円です。
従って、最低保障額の方が高いため、この場合の平均賃金は2,700円と
なります。
このケースでは、少なくとも81,000円(2,700円×30日分)の解雇予告
手当を支払わなければならないということになります。
なお、解雇予告手当は、税法上は退職手当として取扱われます。