改正労働者派遣法の影響は?

6月22日に閉会した通常国会では、「改正労働者派遣法案」は廃案となったものの、秋の臨時国会に再度上程されるようですが、成立した場合には、どのような影響が考えられるのでしょうか?
【改正法案の内容】は次の通りとなるようです。 ①特定労働者派遣事業と一般労働者派遣事業の 区別の廃止(全て許可制に)。 ②専門26業務の廃止。 ③派遣労働者個人単位の期間制限(3年)と派遣先の 事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)の 創設。 ④派遣元事業主に対し派遣労働者へ新たな派遣先を 提供する事等の義務付け。 ⑤派遣労働者の均衡待遇の確保・キャリアアップの推進。
◆法改正により人材会社が受ける影響
株式会社アイ・アム&インターワークスでは、人材会社
および派遣労働者を対象に、改正労働者派遣法に関する
インターネット調査を実施し、その結果を発表しました。
改正内容のうち最も影響を受けるものについて人材会社の
回答は次の通りでした。
①派遣期間の上限が「1業務あたり3年」から「1人あたり3年」
に変更されること(64.5%)
②専門26業務と自由化業務の区分がなくなること(13.6%)
③雇用期間が終了する派遣社員に次の就業先を紹介する
こと(9.1%)

◆法改正により派遣社員が受ける影響
同様の質問に対する派遣社員の回答のトップも人材会社と同様
でした。
①派遣期間の上限が「1業務あたり3年」から「1人あたり3年」に
変更されること(33.3%)
②派遣という働き方から抜け出す機会を失ってしまう気がする
(28.7%)
③専門26業務と自由化業務の区分がなくなること(14.0%)

秋の臨時国会で成立が予想されるこの派遣法改正は、派遣
労働者の非正規労働者としての処遇改善と雇用の安定化に
つながるとの見方もあり、当然に派遣先にも大きな影響を
与えます。

今後ともその動向には、十分留意して行く必要がありそうです。
2014年8月25日)