「もったいない話」

 私は定年になる前に会社を辞めたので、

最後まで勤め上げ、定年となる「その日」を

迎える気持ちには正直よく分らないところが

あります。

 然し定年を迎えたあと、心から打ち込める

ものを見つけ出せず、毎日まいにちを鬱屈した

気持ちで過ごしている人たちの話はよく聞きます。

 “長年働いてきたのだから、もう何をして過ごそうと

俺の自由だ”という気持ちは、よく分るのですが、

気力・体力ともに十分な人が、打ち込めるものを

無くして、一日中することもなく、本当の「余生」を

過ごすことになってしまうのはもったいない話だとも思います。

カメラを肩に散歩をしている姿をみかけるたびにこんなことを

思っています。