4月2日から、記録漏れの可能性が高い人(既に発送開始済)以外
の全受給者・加入者計9,500万人に向けて「ねんきん特別便」の
発送が始まりました。
6月以降には事業所経由での送付も予定されています。
社会保険庁でも、社会保険事務所における休日の相談日を増やすなどして、
相談体制を強化する方針を明らかにしています。
しかし、社会保険庁の発表によれば、これまでに「特別便」を送付した
受給者の約4割に相当する約90万人が未回答だそうです。
然も、回答した約141万人のうち約103万人は「訂正なし」と答えていますが、
実際には記録漏れの事例が相当数あるそうです(3月18日現在)。
「特別便」を受け取っても、「具体的な情報が載っていないのでわかりにくい」、
「昔のことで思い出せない」という人が多いようです。
民主党では、「特別便」が届いても記録漏れに気付かないとみられる人
(3月末までに特別便が届いた記録漏れの可能性が高い年金受給者・
現役加入者のうち記録を訂正した人を除く)を対象に、
記録漏れがあるとみられる記録やヒントを同封して「特別便」を再送する
独自の法案(ねんきん特別便緊急支援法案)を今国会に提出する方針を
示しています。
またこれまで、自分の記録に誤り等があると思う人は、
「年金記録確認第三者委員会」に申し出る必要があり、社会保険事務所
では取扱っていませんでした。
然し今後は、家計簿や確定申告書のコピーなど、保険料を納付していた
物的証拠があることで判断しやすい案件については、
社会保険事務所に申し出て年金支給の是非を審査してもらえるように
なりました。
審査が進まない「年金記録確認第三者委員会」の審査を省略して
記録回復のペースを上げるのがねらいだそうです。
また、厚生労働省は、国民年金加入者が満額の受給額を確保した
(40年納付で満額、その後は払込んでも年金は増えない)後も保険料
を払い続けてしまった分については、返還する制度の創設も検討して
いるようです。