経済情勢の悪化による失業は深刻化の一途を辿っています。
失業者数の増加と連動して増加が予想されるものの一つに
国民年金第1号被保険者数があります。
以前から国民年金保険料の納付率の低さは問題となっており、
この失業者数の増加で更に低下することも予想されます。
そこで、退職後に国民年金保険料の負担が重くなる場合に
利用できる可能性のある国民年金保険料納付義務の免除制度
をご紹介します。この国民年金保険料の免除制度は、大きく分けて
「法定免除」と「申請免除」があります。
「法定免除」については、障害基礎年金等の受給権者や生活保護法
の生活扶助を受けている者に対して行われており、本人が届出を
行うことで保険料の納付義務が免除されます。
一方の「申請免除」については、第1号被保険者本人、保険料連帯
納付義務者である世帯主・配偶者のいずれもが、経済的理由や
災害に罹災したなどの事由で保険料を納めることが困難な場合に、
第1号被保険者本人が申請し承認を受けることで、保険料納付義務
の全部あるいは一部が免除されることになっています。
退職による免除は、この申請免除を行うことの理由の一つに該当し、
申請する年度または前年度において退職の事実がある場合に対象と
なります。具体的には、通常の申請免除の審査を行う際に含まれる
退職者本人の所得を除外し、審査を行うことになります。
従って、判定すべき所得が低く抑えられるため、退職前の所得が
高い場合でも申請が承認される可能性が高くなります。
免除期間の年金額の計算は、保険料が納付された場合の3分の1と
なります。国民年金保険料を未納とした場合、将来的な年金額に
反映されないほか、病気や事故で障害が残った場合の障害年金が
支給対象外とされることもあるため、失業により保険料の負担が
大きく感じられる場合には、このような免除制度を利用することも
検討した方がよいかもしれません。