厚生労働省は、労働安全衛生法を改正して、職場における受動喫煙対策
を義務付ける方針を明らかにしました。
法律を改正してまで受動喫煙対策に取り組もうとする強い意欲が伺えますが、
改正法が成立すれば、飲食店や商業施設等には大きな影響を与えることに
なりそうです。
現在、健康増進法では、役所・病院・商業施設など多くの利用者が集まる施設
の管理者に対しては、受動喫煙を防止する「努力義務」を課しています。
健康増進法は、国民の健康の増進の重要性が増し、健康づくりや疾病予防を
積極的に推進するための環境整備が要請される中、厚生労働省が開始した
「健康日本21」プロジェクトを中核とする国民の健康づくり・疾病予防をさらに
積極的に推進するため、医療制度改革の一環として2002年に可決・成立した
法律です。
厚生労働省は、この法律の規定に基づき、飲食店などを全面的に禁煙とする様に、
今年の2月に通知を出しました。
そして、現在、労働安全衛生法改正についての議論が進められています。
主な内容としては、事務所・工場等は原則として禁煙とすること、喫煙室の設置は
認めること、飲食店・商業施設等で接客を行う従業員の受動喫煙を防止するために、
室内のたばこの煙に含まれる有害物質の空気中濃度を一定基準以下に抑える
ように義務付けることなどです。
この濃度規制が導入された場合、全面禁煙とするか、喫煙室を設けるか、強力な
換気施設を設けるか等の選択を迫られることになります。
改正案は、来年の通常国会に提出される模様ですが、多くの企業に影響を与え、
負担を強いることになるため、今後の動向が気になるところです。