厚生労働省が、有期労働契約についての法改正を強く
推進しています。
本年2月には「労働契約法の一部を改正する法律案要綱」
についての諮問を受けていた労働政策審議会がその法律案要綱」
を「「おおむね妥当」として、厚生労働大臣に答申しました。
今回の法律案要綱のポイントは次の通りです。
①有期労働契約を期間の定めのない労働契約への転換
「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、
労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みを
導入する。
但し、原則として、6か月以上の空白期間(クーリング期間)が
あるときは、前の契約期間を通算しない。また無期労働契約に
転換する際の労働条件は別段の定めがない限り、従前と同一のもの
とする。」
②「雇止め法理」の法定化
「雇止め法理(判例法理)(※)を制定法化する。」
(※)有期労働契約の反復更新により
無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合、
または有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的
期待が認められる場合には、解雇権濫用法理を類推して、
雇止めを制限する法理。
③期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
「有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより
無期契約労働者の労働条件と相違する場合、その相違は、職務の
内容や配置の変更の範囲等を考慮して、不合理と認められるもので
あってはならないものとする。」
厚生労働省では、この答申を踏まえ、開会中の通常国会に改正法案を
提出する予定となっています。全労働者の35%が非正規労働者とされる
現代においては非常に影響が大きな法改正となりますので、その動向は
注視していく必要があるでしょう。