障害者雇用率の引上げ

2013年4月1日より、民間企業に義務付けられている障害者雇用率が
15年ぶりに引き上げられ、現行の1.8%から2.0%となります。
また、国や地方公共団体の障害者雇用率は現行の2.1%から2.3%に、
都道府県等の教育委員会は同じく2.0%から2.2%に引き上げられます。
厚生労働省のまとめによると、2011年度にハローワークを通じて
就職した障害者は5万9,367人で1970年度の調査開始以降、過去最多
となっており、企業の障害者雇用は全体として増加傾向に
あるようです。
今回の法定雇用率の引上げと同時に、障害者の雇用を義務付けられる
企業の規模も従業員56人以上から50人以上に広げられます。

対象となる事業主には以下の義務があります。
①毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告
しなければならない
②障害者雇用推進者を選任するよう努めなければならない

雇用率が未達成の場合、「障害者雇用納付金制度」において、
従業員数が201人以上の企業は、法定雇用障害者数に不足する
1人につき月5万円を国に納めなければなりません。
一方で、雇用率を上回っている企業へは、上回る1人につき
月2万1,000円~2万7,000円の報奨金などが支給される仕組みと
なっています。
なお、今回これらの金額に変更はありません。
厚生労働省は、障害者雇用促進法に基づく雇用義務の対象に、
新たに「精神障害者」を追加すべきとの報告書案をまとめました。
報告書によると、精神障害者の定義は「精神障害者保険福祉手帳を
持つ人」とする案が有力となっています。

この改正で精神障害者を含めた障害者の雇用が義務化された際には、
雇用率が新たに算定され、最終的な雇用率は少なくとも2.2%になる
ようです。
今秋より審議が始まり、法案の国会提出は来年となる見通しですが、
今後の動向には十分に注意する必要があるでしょう。
(2012年7月26日)