「受動喫煙防止対策」義務化

平成23年10月に召集された臨時国会に提出されたたものの、
審査未了となっている労働安全衛生法の改正案が、再び
今秋の国会に提出されそうです。
この改正案の一部に「受動喫煙防止対策」があります。
これは、労働者の受動喫煙を防止するため、原則、職場の
「全面禁煙」または「空間分煙」による措置を企業に対して
義務付けるものです。
但し、当分の間は、飲食店その他の当該措置が困難な事業場
については、受動喫煙の程度を低減させるため、一定の濃度
または換気の基準を守ることを義務付けるとしています。

企業が受動喫煙防止対策に取り組む場合、喫煙室設置などの
分煙対策や、換気改善などに多額の費用がかかるため、国では
「受動喫煙防止対策助成金」を用意するとしています。
しかし、企業にかかるコストはそれ以外にもあるようです。
オハイオ州立大学のチームは、会社は、タバコを吸う社員
に対して、社員1人あたり年間6,000ドル(約59万円)も
余計なコストを負担しているとの試算結果を発表しました。

このコストの内訳は、「タバコ休憩による生産性の損失」、
「ニコチン中毒による仕事効率のダウン」、
「保険料のアップ」などです。
例えば、従業員が勤務時間中に1日2本(1本あたり15分)
タバコを吸った場合、1年間で企業にとって3,077ドル(約30万円)
の損失が生じるとのことです。

上記のように、タバコによる損失・デメリットには、
様々なものがあります。
タバコに対して世の中の視線が非常に厳しくなっている昨今、
法改正の有無にかかわらず、企業としても何らかの手を
打たなければならない時期に来ているのかもしれません。

(2013年8月27日)