国による障害者雇用対策が講じられている中で、
障害者の就職件数は年々増加しています。
厚生労働省の「平成27年度 障害者の職業紹介状況等」
の調査でも、ハローワークを通じた障害者の就職件数は
平成26年度の84,602件から大きく伸びて90,191件
(対前年度比6.6%増)となり、7年連続で増加したと
公表されています。
特に、最近は精神障害者の就職件数が大幅に増加して
いるようです。
一方、エン・ジャパン株式会社が実施した
「障がい者雇用」についてのアンケート調査(回答233社)
によると、従業員数50名以上の企業で法定雇用率(2.0%)
を「達成している」と回答したのは約31%だったそうです。
その他は、「雇用しているが雇用率は未達成」が31%、
「50名以上の企業だが雇用していない」が38%となり、
法定雇用率を達成している企業はまだまだ少数に
留まっている状況です。
平成27年の厚生労働省の調査でも、法定雇用率達成
企業の割合は 47.2%と公表されており、その割合は
増加しているものの、障害者の雇用が十分に進んで
いるとは言えない状況です。
上記のエン・ジャパン社のアンケート調査では、
実際に雇用している職種や分野について尋ねたところ、
「事務」(54%)および「軽作業」(37%)との回答が多く
なっています。
また、雇用上の課題や懸念点として、「適した仕事が
あるか」「法定雇用率の達成」「「設備・施設・機器など
安全面の配慮」「周囲の社員の、障害への理解」などが
挙げられており、仕事の内容や職場の環境面の整備に
課題感を持つ企業が多いことがわかります。
最近は障害者へのパワハラ事案について報道される
ことも多く、職場内の障害者へのハラスメント、嫌がらせ
について問題になっています。
企業側の雇用動機は様々ですが、今後、障害者雇用を
推し進めていくうえでは、採用後の社内体制まで含めて
障害者雇用に対する考え方を変化させていく必要があり
そうです。
(2016年10月27日)