昨年12月下旬、厚生労働省から『「過労死等ゼロ」
緊急対策』が発表されました。
大手広告会社(電通)の一連の過労死事案等を受け、
以下のように取組みが強化されることになりました。
大きく分けると「平成29年から実施されるもの」と
「平成29年度から実施されるもの」があり、
これまで以上に労働時間管理やメンタルヘルス対策、
パワハラ等についての対策が重要となりますので、
注意が必要です。
◆違法な長時間労働を許さない取組の強化
①新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底
【平成29年より実施】
企業向けに新たなガイドラインを定め、労働時間の
適正把握が徹底されます。
②長時間労働等に係る企業本社に対する指導
【平成29年より実施】
違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの
企業に対して、全社的な是正指導が行われます。
③是正指導段階での企業名公表制度の強化
【平成29年より実施】
過労死等事案も要件に含めると共に、一定要件を
満たす事業場が2事業場に生じた場合も公表の対象
とするなど公表対象が拡大されます。
④三六協定未締結事業場に対する監督指導の徹底
【平成28年度第4四半期に実施】
◆メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化
【平成29年度より実施】
①メンタルヘルス対策に係る企業本社に対する特別指導
複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社
に対してパワハラ対策も含め個別指導が行われます。
②パワハラ防止への周知啓発の徹底
メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等
の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、
パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等
も含め指導が行われます。
③ハイリスクを見逃さない取組の徹底
長時間労働者に関する情報等の産業医への提供が
義務付けられます。問題のある事業場については、
都道府県労働局長が医師による緊急の面接等の実施を
指示できる制度が整備されます。
◆社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化
①事業主団体に対する労働時間の適正把握等について
緊急要請【速やかに実施】
②労働者に対する相談窓口の充実
【平成29年度より実施】
③労働基準法等の法令違反で公表した事案の
ホームページへの掲載【平成29年より実施】
(17年1月27日)